最後のお勤め 訪問リハビリ





自分の過去にもどることにする






今少し胸が苦しい





トラウマだからだ










昼の仕事に戻った




往診の鍼灸師

保険適応








最初はすごく歓待されて

ここで働きたいと思う









後にそれは演出だとわかる









最初、だけ楽で

どんどん追い込まれた






でもここで死ぬほど勉強した




身体の仕組み

専門用語は一切使わない





簡単に、患者にわかるように、短く





私の話すベースになる

ほとんどが専門家ではないから







伝わらなけば

ないのと同じ








残業月100時間超え


インフルエンザでも出勤



有給は誰もとれない
上が出てるのに
何言ってるんだといわれる


忌引きは身内でも1日半


パワハラセクハラ当たり前

徹底的ないじめ








医療業界ってそういう世界なのだ












医療崩壊っていわれてるけど




そもそも崩壊してて




でもみんな大変ねっていうけど



だから休んでいいよ、とは

いわない



24時間診てくれてるとおもってる



それが問題










だから壊してしまえばいい

作り直さなければならない











患者は山のようにいた



認知症

難病

自宅にいても

息をしてるだけの、ひと




自分で病院いけないひとたち

これは命に関わるから




最後まで国は保険を適応するから
儲かるのだ








低所得者、高所得者


色んな人がいた






共通点は

誰も幸せではなかった







認知症のひとも
つながるときがくる




自分がどういう状況にいるか





まだら認知、という









私はいらない人間だから

ここに捨てられたのよね








わたしは人の世話にならないと
生きていけない


ただ空を見ているだけなんです














僕はそこのコンビニにもいけない

自分で選べることが
どれだけ嬉しいか










なんのために生きてるのだろう








わたしは考えるようになる







表向き華やかな
新地から一転






こんな世界があるのか









 何のために人間は生きてるのか





院の体制はすごかった




ノロでもインフルエンザでも出勤
しんどかったら注射うってこい


仕事はフルタイム







私は馬鹿なので院長にいった





後期高齢者のところにいくのに

インフルエンザでもいかす




患者さんにうつったら
死んでしまう、


と思ったから






このままの体制でいくと危ないので
働きかたをかえてほしい





その日から



以前書いた





痛みを与える練習

叱る練習が、




はじまった








針は人をよくするもので

痛みを与えるものではない







言葉は癒すこともできるし

傷つけることもできる




だから口にする言葉は
選ばないといけない











おかしくなっていった






いわれる


お前のためにやってる







自分が悪いと思うようになる







洗脳の手順と同じ







弱らせて、言葉をすり込ませる









自分が悪いんだと思うようになった











やめたいと何度もいっても
やめさせない







逃げればよかったのに

逃げる気力ももう



なくて









体をひきずるように

毎日出勤し





顔は土気色、削ぎ落とされように、やつれ

目の動きがおかしくなった






なんにもないのに
涙がでるようになった








あれ?



って







    









それに気付いたんだろう、





ひとりの患者さんがあるとき





あのね、先生

僕はね身体に予兆があったんだ

腕がずっと痺れてて
でも忙しいから無視をした


そしたら倒れたんだ



で、目が覚めたら
首から下の感覚が全部なくなった


だからね

先生はそうなってはいけないよ








涙がとまらなかった








わかってくる


保険は枠があって

そのリハビリでは良くなることがないと
わかってくる




患者はよくなりたくて必死



無理なのに




何もできない







ある時オーナーが


ある患者さんの
リハビリメニューを作ったときいった


笑っていってた





ま、治らへんけどな









わたしは目を逸らした











いわれた


リハビリ頑張ってる
パーキンソンの患者さんに



これは筋肉が勝手に動き続けるもの





ガチガチにかたくなる

あるくのも揺れる









縋られた





いつまで頑張ったらいいんですか

わたしはもう一度走りたいんです







わたしはなにもいえなかった









何なんだろ この世界は











寝込むようになっていく








院はすごく儲かってた





院長はそれでブランドかっていた


松坂牛たべたの、とか







ナニヲイッテルンダロウ











透析も儲かる



国からお金でるから



それほしさにやってるところがあった





そのお金欲しさにくる患者


それで昼から酒飲んでパチンコしてた
人を診なければならない







なんのための医療費なのか?









透析したら




肌は紫
動けない
内側から血管がひび割れる


生きる死屍になる








おそろしい








背筋がぞっとした





院長が

絶対なりたくないのは





まだら認知
糖尿病
パーキンソン








何のための医療なのか








命は金になる












私はそれをここで知った